■ 日 時: 平成30年3月19日(月) 18:00~20:30
■ 場 所: かながわ県民センター 305会議室
■ 対 象: 神奈川県内 外国人相談窓口関係者ならびに外国人支援活動団体等
■ 参加者: 37名
■ 講 師営利活動法人 女性の家サーラー 事務局長 湯山 佳代氏
神奈川県弁護士会 人権擁護委員会外国人の権利に関する部会 部会長 小豆澤 史絵氏
■ テーマ:「外国籍女性と子どもの支援」
■ 内 容
第一部 「外国籍女性と子どもの支援 ~現状の把握や具体的な支援について~」
第二部 「外国籍女性と子どもに対する法的支援 ~在留資格、国籍、親権等~」
■ 当日の様子 :
今回の研修会は、昨年度第5回に実施した「外国籍女性を取り巻く問題と支援」の第2弾として「外国籍女性と子どもの支援」というテーマのもと、暴力や経済的な貧困に苦しむ女性に対する支援だけでなく子どもに関わる問題に焦点を当てて学ぶことを目的としました。子どもがキーワードになっていることから参加者は通訳、相談員、行政書士の他、学習支援の現場等、幅広い分野で活躍されている方々にご参加いただきました。
講師は昨年度に引き続き女性の家サーラーの湯山佳代氏と今年度新たにお招きした神奈川県弁護士会の外国人の権利を守る部会から弁護士の小豆澤史絵氏のお二人による2部構成で行いました。
サーラーの湯山氏からは、聞き取り内容や相談者が抱える課題、そしてその後の支援のつなぎ先等を伺い、暴力被害女性の支援の入口となる専門機関としての具体的な支援のプロセスや注意点を聞くことができました。「まず相談者の話をよく聞いたうえでどこへつなぐか判断することが大事」という参加者の感想からわかるように、専門機関と相談窓口という立場や役割の違いはあっても、相談対応において活用できる技術的・意識的な部分について学んでいただけたのではないかと感じています。
第2部の小豆澤弁護士からは外国籍の離婚に関し、親権・面会交流、婚姻費用・養育費、離婚手続き等の法的な制約や条件の他、親子関係不存在裁判が子にもたらされる重大な結果のケース等についてお話しいただきました。外国籍同士の離婚の困難さや本国法との関係や確認、留意するべき点が整理されただけでなく文化や意識の違い等を知ることができました。
参加者からは「教科書的ではない実践・現場に基づいた経験談で非常によかった」「自分の業務ではシェルターに入るような案件は少ないので勉強になった」他、続編やもっと具体的な事例を聞きたいという感想も多くいただきました。
今回の研修会を通じ、現場で支援にあたられている講師による専門的な話や具体例は非常に貴重であることを痛感すると共に、この研修会が参加者にとって常に動きのある“今”についての情報収集や意見交換の場所になることの重要性を感じました。