■ 日 時:平成29年5月26日(金) 18:00~20:30
■ 場 所:かながわ県民センター 305会議室
■ 対 象:神奈川県内 外国人相談窓口関係者ならびに外国人支援活動団体等
■ 参加者:45名
■ 講 師:特定非営利活動法人 かながわ女のスペースみずら 理事 小山内園子氏
■ テーマ:「外国籍相談対応の基本と支援者のこころのケア」
■ 内 容:
(1) 相談対応の基本姿勢
(2) 支援者自身のこころのケア
(3) グループワーク
■ 当日の様子:
まず前半の「相談対応の基本姿勢」の部分では、「相談」とは客観的状況と主観的な思いの“ずれ”から生じる「苦しみ」「つらさ」であるが、その苦しみへの対応方法として、問題を改善させていく教示的・指導的な「キュア概念」と共感的・支持的な「ケア概念」があり、その両方を使い分けながら対応していくことが大切であるとお話しいただきました。その他、相談者の立場の理解、相談員として自分や所属の機関ができることとできないことを知る大切さ、聴く時のポイント等についてお話しいただくと共に、傾聴のロールプレイング等を行いました。
参加者からは「初心者だからこそ今後の支えになると思った」「相談姿勢・基本を忘れがちなのできちんと学べて良かった」「活動に関わる熱意の中の盲点をどう克服するか」等の感想があがっており「相談者が答えを出せるようキュアとケアの立場をもって相談者自身が答えを出せるように思考を手伝う」といった相談員としての姿勢を学んでいただけたと感じました。
続いて「支援者自身のこころのケア」について、「燃え尽き症候群」「二次受傷」という概念、そしてそうならない為の対応についてお話しいただきました。特に「二次受傷」という概念については「初めて知った」という参加者が多いながら、一方では「言葉は知らなかったが該当するような経験がある」という感想からも、二次受傷は経験のある人ほどそのような状況に陥りやすいと言われており、その克服方法について質問が出る等、関心の高さが伺えました。
「支援者自身のこころのケア」のお話しでは「相談員として心のケアという講習等を受けたことがなかったため、学ぶことが多かった」「相談者のことを考えるだけではなく自身のメンタルケアも同時に大事であることが再確認でき意識していこうと思った」等の感想が多く、相談者の為にも、相談員のこころを整えていくことの重要性に気づいていただけたのではないでしょうか。
後半のグループワークでは、DV被害者からの電話を受けた際の対応について考えました。非常に活発な意見交換がなされ「いろいろな考えが出て素晴らしかった」「勉強になった」「メンバーが多様なのでもっと交流したかった」といった感想が多くあげられたように、研修会全体を通して質疑応答も多く、参加者の熱意や真剣さによって研修会がより良いものになったと感じました。
最後に「講師の実践での話に満足した」「揺るがなさのポイントを分けてもらえた」「明日からの力にしたいと思う」等、講師の人柄や生き方から勇気や活力を得た参加者が多かったことが印象的でした。