「日本語学習者・支援者のための集い」は、日本語学習支援者同士の顔の見える関係性の構築や、更に支援者と学習者との出会いの場になればとの目的で、2017年度より実施している事業です。
2019年度は~外国につながりを持つ子どもの居場所づくりと教育を共に考える~をテーマに、地域での場づくりにもつながる企画としました。
外国につながる子どもが日本語の学習とともに、自らのアイデンティティを大切にしながら日本で成長するために、支援者はどのような事を心掛けるべきかを共有し、日本語をキーワードに学習者・支援者などの立場を超えて「みんな」で楽しむプログラムも盛り込みました。
日時:2019年11月4日(月・祝)10:00~17:00
場所:神奈川県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ) 2F プラザホール
参加者:約81名(地域日本語教室の支援ボランティア、国際教室担当教員、外国につながりのある児童生徒への支援に関心がある方、日本語学習者など)
実施内容:
【午前プログラム】
基調講演(10:00~12:00)
「大学と地域の連携から見えてくるエンパワーメントの成果と課題」
講師 宮崎 幸江氏(上智大学短期大学部 英語科 教授)
【午後プログラム】
① 実践に役立つ!ワークショップ
1)(13:20~14:00)「教科につなげるはじめの一歩 考える力を伸ばす学習を目指して~『中学生のにほんご』活用法~」
講師:樋口 万喜子氏(NPO法人日本語・教科学習支援ネット)
2)(14:10~14:50)「みんなで楽しむ漢字ワールド!」~『漢字王決定戦』を使って~
講師:丸山伊津紀氏、辻雅代氏(認定NPO法人 地球学校)
② 支援団体の活動が分かる!ポスターセッション(15:10~17:00)
参加団体によるポスター発表
参加団体:さかえ日本語の会、多文化共生スポットワールド・キッズ、地球市民文化交流会、
認定NPO法人地球学校、ユッカの会、上智大学短期大学部コミュニティフレンド・カレッジフレンド
【終日プログラム】
① 日本語教育資料の販売(10:00~17:00)
販売:株式会社凡人社
② 県内日本語教室等のチラシコーナーの設置(10:00~17:00)
当日の様子:
今年のテーマは、「外国につながりのある子どもの居場所つくりと教育を考える」とし、上智大学短期大学部の宮崎先生より、大学での取組み、「カレッジフレンド」(学校への入り込み支援)、「コミュニティーフレンド」(地域での日本語・学習支援)といった活動から見えるエンパワーメントの成果と課題についてお話をいただきました。様々な役割の支援者が立場を越えて活発に情報交換を行い、新たな横のつながりが生まれ、それぞれの今後の課題や目標が発見・認識できたのではないかと思います。
ワークショップでは、講師による中学生向けの教材紹介や、漢字を使ったゲームを行い、受講者参加型の形式にしたことで、外国ルーツの子どもたちの困り感を自分事として感じることができ、「みんな(学習者・支援者という立場を超えて)」で楽しむことができました。
また、ポスターセッションではインタビューの後、参加者が各団体ブースへ話を聞き、支援者と参加者の交流が活発でした。
参加者の声(一部抜粋):
・日本語支援を受ける側の状況を理解できました。支援活動を大学の単位取得にするのは学生のモチベーションにつながる良い方法と感じました。
・上智短大、秦野市の取組み、成果、課題がよく分かりました。国際教室、日本語教室での具体的な実施内容も知りたかったです。
・漢字の練習とコミュニケーションを同時に練習できるおもしろい練習でした。
あーすぷらざでは今後も日本語教育支援や多文化共生に焦点をあてたイベントを開催していく予定です。