写真展「屋須弘平―グアテマラ140年のロマン」
2016年01月23日(土)〜2016年03月27日(日)
はるか遠い異国の地で生きた日本人の物語――
幕末から明治へと時代が移り変わる中、中米・グアテマラに移住したひとりの日本人がいました。彼の名は屋須弘平(やすこうへい)。天文学者を目指してメキシコに渡るも叶わず、移住したグアテマラで写真術を学び写真館を開設、やがて国民から大きな信頼を得て、優れた写真家として活躍しました。
本展では、異国の地に根を下ろし、カメラのレンズを通してグアテマラの人々と交流した屋須弘平の作品をご紹介します。当時の建築物や風景を捉えた写真や遺品から、2015年に外交樹立80周年を迎えた日本と中米の交流の軌跡を知ることができます。
屋須弘平(1846-1917):
1846年、蘭学医の長男として仙台藩藤沢(現・岩手県一関市藤沢町)で生まれる。17歳で江戸に出て、医学や天文学を学ぶ。1 874年、金星の太陽面通過のメキシコ観測隊の通訳を務める。天文学者を目指し翌年メキシコに渡るも、政変でやむなくグアテマラに移住。写真術を学んだ後、グアテマラ市に写真館を開設。1883年、キリスト教の洗礼を受け、ファン・ホセ・デ・ヘスス・ヤスと名乗る。1889年、写真館を閉めて帰国したが、高橋是清(後の内閣総理大臣)の要請でペルーの銀山開発計画に参加、日本を離れる。しかし事業は失敗。1891年、再びグアテマラで写真館を開き、グアテマラ人マリアと結婚。後に、アンティグア市に写真館を移転する。1917年、病のため72歳で死去。1976年 2月6日、アンティグア市で大地震が発生した際、写真原板数百点が発見され、彼の写真家としての功績が日の目を見ることになった。
【併設展示】
屋須弘平・羽幹昌弘(うもとまさひろ)二人展
屋須弘平が撮影したアンティグアの風景を、一世紀の時を隔て同一のアングルで撮影した、写真家・羽幹昌弘の作品群をご紹介します。
►羽幹昌弘プロフィール: 1943年、東京都生まれ。東京綜合写真専門学校卒業。主な写真展に、屋須弘平・羽幹昌弘二人展「ある古都の一世紀 アンティグア グアテマラ 1895-1984」(東京デザイナーズスペースフォトギャラリー 1985)、個展「神の庭」(東京・オリンパスギャラリー 1994)、個展「とうもろこしの人間たち グアテマラ 1981-2008」(銀座ニコンサロン 2010)など。日本写真家協会会員。
ilo itoo
多彩な魅力を持つグアテマラに魅せられた日本人が現地の女性たちと製作した、伝統織物を使ったオリジナル布小物や、色鮮やかなウィピル(民族衣装)などを展示します。ilo itooサイトはこちら→http://iloitoo.jp/
【関連イベント】
飯沢耕太郎 講演会「グアテマラで生きた写真家 屋須弘平」
2016年3月6日(日)14:00-15:00 (開場:30分前)あーすぷらざ 5階 映像ホール
屋須弘平を研究し、かつてグアテマラ・アンティグアにも足を運んだ写真評論家・飯沢耕太郎が、屋須弘平作品の魅力をたっぷりと語り尽くします。
一関藤沢市民劇場横浜公演 屋須弘平物語「さくら」
2016年1月30日(土) ①12:30~②16:00~(開場:各回30分前)あーすぷらざ 2階 プラザホール
一関市(旧・藤沢町)の市民劇団が、屋須弘平という郷土の偉人の半生を舞台で再現します。
日時 | 2016年1月23日(土)~3月27日(日) 祝日を除く月曜休館 10:00~17:00 |
---|---|
場所 | 企画展示室(3F) |
入場料 | 無料 |
主催 | 神奈川県立地球市民かながわプラザ (指定管理者:公益社団法人青年海外協力協会・株式会社金港美装)■監修:GaleriaLIBRO |
協力 | 羽幹昌弘、ilo itoo |
後援 | 一関市、一関市教育委員会 |
TEL | 045-896-2121 |
gakushu■earthplaza.jp(■を@に変更ください) |