1. 目 的:相談対応の向上等を含めた相談業務に必要なスキルの習得のため
2. 日 時:2021年 7月9日(金) 18:00~20:00
3. 開催形式:オンライン形式(ZOOM)での開催
4. 対 象:神奈川県内各市区町村の外国人相談窓口担当、国際交流協会、国際交流ラウンジ、NPO、市民団体、行政書士等
5.参加者:57名(あーすぷらざ職員6名含む)
6.講 師:神奈川県弁護士会(飯嶋法律事務所) 飯嶋光章 氏
7.テーマ:「弁護士に聞く 外国籍住民の法律相談」
8.内 容:
①講義 :50分(途中休憩10分)
②ワーク(事例検討):30分
③質疑応答・まとめ:40分
9.成 果:
今年度第1回目の研修会は、外国人相談窓口でも増加している法律相談に対応するため、弁護士の飯嶋氏を講師に招き、相談に関わるポイントや法律など、幅広くお話しいただきました。オンラインでの実施ということもあり70名を超える方からのお申込みがあり、当日は、行政書士、各外国人相談窓口相談員、社会福祉士など50名を超える方にご参加いただきました。
講義では、まず初めに基本となる弁護士依頼や通訳有無、相談を受ける際の留意点などのポイントを簡潔に説明いただきました。当初は、講師が昨今対応している刑事事件をメインにお話しいただく予定でしたが、申込者からも多く相談や質問があがった暮らし、仕事、在留資格など民事を中心に、弁護士へのつなぎ方や、相談対応の際の留意点について解説がありました。特に「聞く態度」に関して、ちゃんと聴いているというサインを出すこと、直訳することが大事だという点が重要であるというメッセージから、参加者アンケートでも、「直訳、知らないことが知らないと言うことが、当たり前だけど気をつけて通訳しないといけないと思います」「異文化理解(よく聞く)&質問の仕方(yes or noではなく)」などを学ぶことができた」といった声が寄せられました。法律上でどのような記載がされているのかを解説付きで知る機会が普段はないため、私たちが専門的な回答をする必要はなくとも、ケースを頭に入れて話を聞くことができることは対応の上で重要であり、講師からもインターネットの情報などを参考にせず対応するよう話がありました。
後半のワークでは、実際のケースを挙げて話をしていただきました。解雇と訴訟のケースでは、在留資格にも影響があるケースが実際に増加しています。講師から4つの方法について説明があり、どのような対応が取れるのか、質問もいくつか挙がっていました。講師の今までの経験から、入管への説明の仕方(証拠)など、法に則って在留・労働といった権利を得る可能性があることが参加者にも伝わっているように見受けられました。講師が現在多く扱っている刑事事件についても、ケース別で退去強制事由となるか否かを解説いただき、どのような流れで進んでいくのか、明るみに出ていないために通常は知ることができない内容を知ることができた。講師からは、事実を決めつけないことが重要であり、刑事事件に関しても直訳すること、わからないことはわからないという大切さについて話がありました。
最後の質疑応答でも、弁護士が出来ることや、参加者の行政書士の方からも行政書士の範囲で出来ることなど、相互発信がありました。課題として、弁護士依頼から裁判などの際の通訳について、数が不足している点や通訳スキルが担保される必要がある点に言及があり、現場でも法テラスなどで対応できないと言われた、というようなケースもあったりと、参加者の皆様と意見や課題を共有できる時間になりました。
他にはアンケート結果より、「実践を積む機会がない分、現場で起きていることを知る機会はとても貴重でした」「外国人相談を受けていらっしゃる弁護士さんのお話を直接聞く機会はあまりなかったので、貴重な機会をいただいたと思います」「法律は自分有利に使える、諦めない」という感想が寄せられました。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。アンケート結果も含めて、今後もよりよい研修会の場を設けたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。